
#49.歴史の浅いキウイ、人類に認められなかったのはなんで?
2026年4月25日33分
出演

TT農学ガチ勢農学修士。その後サラリーマン研究員として農と食と戯れる。Podcastはほとんど聴いてこなかったが、農食ラジオを始めてからは沼にハマり中。

ゆと農学ビギナー大学院まで物理を学んだ工学修士。新卒はベネッセで進研ゼミづくり。その後ITに軸足を移し、今は音声コンテンツに夢中。まなびガチ勢。
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キウイ、日本に来たのは1970年ごろ——スーパーの常連なのに、歴史が浅すぎる
5:00 からこの部分を聴く
キウイって身近すぎて、昔からいた顔してるじゃないですか。ここ、編集しながら「え、親世代ぐらいなの?」って普通にびっくりしました。

「そんなに育てやすいなら、昔からありそうじゃん。500年前とか1000年前からありそうじゃん」

「でもバナナと並んで、かなり身近なリーズナブルなフルーツってイメージあるね」

「実際いつ日本にやってきたのかっていうと、1970年頃らしい」

「新しい感じ」

「割と新しくない? 我々の親世代ぐらい。親からおじいちゃんおばあちゃんの間ぐらいの世代」

「うちの親だったら、もう成人前ぐらいだな。全然もっと昔からあると思ってた」
奈良時代のみかん、明治のりんご、1970年のキウイ。並べると新参者すぎる
3:01 からこの部分を聴く
みかんやりんごと比べた瞬間、キウイの“最近来ました感”が急に出てくるんですよね。

「みかんとか、いつやってきたか知ってる?」

「おじいちゃんの世代ではもう根付いてるイメージだよね。100年前とかには少なくとも」

「みかん、奈良時代に来たらしいよ。りんごで明治時代」

「全然違うんだ、そこでも」

「そう考えると、1970年代にやってきたキウイっていうのはだいぶ新しいよね」

「超・新参者だ!」
1000年前から中国にあったのに、キウイはなぜ“眠っていた”のか
6:03 からこの部分を聴く
「中国原産なのに、商業栽培はニュージーランドから」って、言われてみると変なんですよね。

「世界でキウイ栽培が始まったのって、いつぐらいか知ってる?」

「日本に来たのが1970年ぐらいでしょ。その50年前ぐらいとか?」

「100年前くらいとのこと。100年前にニュージーランドで始まったらしい。ただ原産は中国らしいけど」

「複雑だな」

「なんでそんな100年前までマイナーだったの? そこに何か面白い話があるんじゃないかと思って、久々にTT説を用意してきた」

「TT自論」

「日本語で調べても全然出てこなかったから、キウイの商業栽培が遅かったのはなぜかっていうのを喋るの、俺が日本で初かもしれない」

「それだけニッチ」
もぎたてキウイは固くて酸っぱい——“おいしい果物”になるにはガスがいる
9:03 からこの部分を聴く
「もぎたて=うまい」くらいに思ってたんですが、キウイはむしろ逆っぽいんです。

「1つ目ね。当時のキウイはシンプルにまずかった説。これは事実であったと思うんだけど」

「まずいと食べないよね」

「キウイのもぎたては、固くて酸っぱいらしいです。木で置いといても別においしくはならないらしいんだよね」

「最悪じゃん」

「それがなぜ今は食べられるようになってるかっていうと、収穫した後に熟成させてるんだよね。エチレンガスをかけることで、キウイが食べられる状態になる」

「そこはバナナと同じ感じなんだ」

「ただ100年前にはその概念がなくて、キウイというものは固くて酸っぱくておいしくないもの。民間療法で漢方として食べられていたみたいな」

「今もめっちゃ固いままだったキウイを食べる時あるからね。スプーンを入れた瞬間に分かるような時」
バナナは熟すガスを自分で出す。でもキウイは“自家発電”が弱かった
12:02 からこの部分を聴く
ここ、家でキウイをりんごと一緒に置く話とつながって、急に生活感が出てくるんですよね。

「バナナは自分でエチレンガスを分泌して、こいつが今から熟すぞっていう指令を出すわけね」

「ガスを浴びて、さらに自分でも出すと?」

「違う違う違う。自分でガスを出して、そのガスを浴びると“熟れなきゃ”ってなるんだよ」

「なるほどね。自分で出してるのに」

「そういう現象があるんだけど、キウイはガスを全然出さないらしい。一応出るんだけど、バナナの5分の1ぐらいの量しか出ないらしい」

「自家発電をしてくれないんだ」

「だから100年前のキウイはシンプルにまずくて、熟させる技術が中国の中では確立されなくて、メジャーになれなかったんじゃないかっていう説1でございます」

「しかも自分で出さないから、たまたま放置してたらうまくなってて、みたいなことも起きなかったってことだよね」
キウイは1本植えても実がならない? オスの木とメスの木があるという罠
15:00 からこの部分を聴く
「初心者にもおすすめ」なのに、1本だけ植えたらダメかもしれない。このズレ、かなりキウイっぽくて面白かったです。

「2つ目は、栽培の特徴が一風変わっているっすよ。キウイの木は男と女がいるらしい」

「木の時点で? 人みたいに分かれてんだ」

「女の木にも小学校の理科で習ったみたいに、おしべとめしべってあるんだけど、おしべはマジで飾りらしい。めしべだけが機能してる状態」

「機能しなくなってるというか」

「男の木の方は花粉はあるけれど、めしべは機能しない。なので何がどう転んでも実がならない」

「じゃあ、自宅の庭に柿の木を植えるみたいなのは、キウイじゃ1本じゃダメなんだ」

「そう。キウイの場合は1本じゃダメで、一生待ってても実がならない」

「柿8年どころじゃないと」
まずくて、難しくて、自立できない。キウイが覇権を取れなかった“嫌な三拍子”
18:00 からこの部分を聴く
オス・メス問題だけでも大変なのに、さらに「立てない」が来るんですよね。キウイ、急に手のかかるやつに見えてきます。

「キウイって自立できないらしいんだよね」

「立たないってこと?」

「普通に生きてると折れたりして、風で揺れると根っこがブチブチって切れたりして、そこから病気が入ったりして死ぬらしいんだよね」

「むずいじゃん。支えてあげる」

「そう。ブドウとかだと屋根っていうか、ワイヤーみたいなのがあるじゃん。ああいう処置が必要になるんで、それも120年前にできたかっていうのがあります」

「もう三拍子揃いそうだよ。嫌な三拍子」

「120年前までは、まずくて難しい。というのが、TTの説でございました」

「これは作らないわ」
植物は人間様のために生きてない。キウイの面倒くささにも理由がある
21:00 からこの部分を聴く
最後はちょっと難しいんですが、のーふーっぽい“植物目線”にぐっと寄っていくところです。

「なんでこんなことしてるんだろうって、めっちゃ植物の目線だね」

「人間様のために生きてるわけじゃないっていう。まずくて作りづらいっていうのは、キウイにとっても何かメリットがあるんだろうっていうさ」

「キウイさん目線だとね」

「多分キウイがやりたかったことって、種の絶滅を回避することだと思うんだよね」

「絶滅を回避」

「米とか麦とかトマトとか、多くの身近な植物って、1つの花の中におしべとめしべがあるわけ。自分と自分で結ばれて種を作ってるから、作物って均一なのが普通なんだよね」

「そこに多様性があったら、ビビる」

「でもキウイは、自分と自分じゃない。オスの木とメスの木が結ばれないと子孫が残せないから、多様性を保つことができるんだよね」
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