#02.国産バイオテクノロジーの功績『果糖ぶどう糖液糖』とは?〜砂糖の世界②
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#02.国産バイオテクノロジーの功績『果糖ぶどう糖液糖』とは?〜砂糖の世界②

2024年7月17日29分
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TT
TT農学ガチ勢農学修士。その後サラリーマン研究員として農と食と戯れる。Podcastはほとんど聴いてこなかったが、農食ラジオを始めてからは沼にハマり中。
ゆと
ゆと農学ビギナー大学院まで物理を学んだ工学修士。新卒はベネッセで進研ゼミづくり。その後ITに軸足を移し、今は音声コンテンツに夢中。まなびガチ勢。
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ラベル裏で毎日見てるのに、口に出して読んだことはほぼない「果糖ぶどう糖液糖」。実はこれ、戦後の米不足から始まり、1965 年に産総研が発明して世界の食卓を救った、れっきとした日本生まれの甘味料なんです。今回はキューバ革命・コーラ・酵素・さつまいもまで芋づる式に繋がる、あの長い名前の壮大な裏側を辿ります。

「果糖ぶどう糖液糖」って、声に出して言ったことありますか?

4:55 からこの部分を聴く

裏ラベルでは毎日のように見てるのに、声に出して「果糖ブドウ糖液糖」って読んだことない・・・

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ゆと
ゆと
「めっちゃ知ってる単語が入ってるけどね。会話ではしたことないよね。」
TT
TT
なんかフレンドリーじゃないよね、言葉が。」
ゆと
ゆと
「なんか隠されてる感じ。」
TT
TT
「そう、ってことは割と歴史的には新しい。砂糖とかは馴染みのある呼び方がついてたりするじゃん。果糖ぶどう糖液糖は全然馴染みないじゃん。」
ゆと
ゆと
「砂糖でしか、もはや知らない。」

米が足りない、酒が作れない。先輩「ぶどう糖液糖」はそこから生まれた

6:24 からこの部分を聴く

果糖ぶどう糖液糖の先輩にあたる「ぶどう糖液糖」・・・当たり前に、初耳。

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TT
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「先輩であるぶどう糖液糖が何のためにいたかっていうと、酒作りのためにいたんだよね。」
ゆと
ゆと
「お酒。」
TT
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「昭和の初期に、米が不足してる時があったらしくて。米不足になるとさ、日本酒とか作れないじゃん。」
ゆと
ゆと
「うん、原料米だもんね。」
TT
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「だから、米なしで酒を作ろうっていうムーブメントがあったらしいんだよね。」
TT
TT
「日本酒作りで言うと米麹って、お米のデンプンをぶどう糖に変換するっていう役割があるのね。だから、わざわざ米使わなくても、別のところからぶどう糖を仕入れればいいじゃんって話になった。」
ゆと
ゆと
「なるほど。お酒のために、米なしのぶどう糖が要るっていう順番だったんだ。」

1965年・産総研の14億円発明が、砂糖を失ったアメリカを救った──この回最大のドラマ

9:00 からこの部分を聴く

日本の研究所に、世界の食卓を救う電話がかかってきた話。日本やるう。

TT
TT
「産総研の高崎義行さんっていう方が、1965年に砂糖の代替として果糖ぶどう糖液糖を開発したんだよね。これを作ったことによってね、もうね、世界が動いたと言っても過言ではない。」
TT
TT
「1900年中盤ぐらいってキューバ革命で、キューバから砂糖を輸出できなくなったんだよね。で、アメリカでは砂糖が足りなくなっちゃって。それで某食品製造大手メーカーが、産総研に『この技術使わせてくれ』って言ったんだって。」
ゆと
ゆと
「先にアメリカでバズったの?で、後から日本に?」
TT
TT
「そう。GPTによるとコカ・コーラとペプシ。」
ゆと
ゆと
「ああ、コーラメーカーね。」
TT
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「で、産総研は特許料で当時の価格で14億円儲けたらしい。今で言うと60〜70億円ぐらいの価値があるかも。」
ゆと
ゆと
「日本生まれ、アメリカバズり、で日本にも普及。素晴らしいですね。」

歴史の話はここまで。発明の裏側を支えていたのは、ぶどう糖を果糖に変える「異性化酵素」という静かな仕組みだった。


酵素はもっと派手に「分解する」イメージだったけど、こいつは形だけ変える静かな職人だった

15:36 からこの部分を聴く

酵素=分解、と思いきや、果糖ぶどう糖液糖を支える酵素は、むしろ何も壊さない繊細な仕事とのこと。

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TT
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「ぶどう糖って炭素5個と酸素1個で6角形を形成してて、これを5角形にするのが異性化酵素なんだよね。物の炭素とか水素とか酸素の数はそのままで、形だけ変わるみたいなね。」
ゆと
ゆと
フォーメーションが変わるんだ。」
TT
TT
「6角形なのか5角形なのかで、味覚センサー、つまりカギ穴へのフィット感が変わるんだよね。だから果糖の方がぶどう糖より甘く感じる。」
TT
TT
「人間で言うとさ、イメチェンみたいなもんだよね。男で言うと、センター分けだったのを七三分けにしたみたいな。」
ゆと
ゆと
「壊したりせずに本当に形だけ変えるって、めっちゃ繊細だ。」
TT
TT
「酵素反応って一方通行じゃないんだよね。AからBも作るし、BからAも作る。」
ゆと
ゆと
「行ったり来たりしてんだ。」
TT
TT
『やっぱセンター分けの方がいいか』みたいな反応も起こってる。だから果糖100%にはならなくて、だいたい50:50で混ざってる。」

微生物目線で見ると、ぶどう糖は彼らの主食。だから「酵素だけ抜き出してお役御免」

16:52 からこの部分を聴く

微生物目線で見ると、ぶどう糖は大好物。だから「働かせて、すぐ引っ込める」設計が技術の肝なんですよね。

TT
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「これ、微生物だと難しいと思ってて。微生物でやろうとすると、多分ぶどう糖をエネルギーにして活動しだすから。」
ゆと
ゆと
果糖もね。
TT
TT
「全部エネルギーに。」
ゆと
ゆと
「普通に生命活動に使われてしまうという。」
TT
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「だから多分、必要な酵素だけを取り出してきて、ぶどう糖が果糖に変わったところでもうお役御免みたいな風にしてんだと思う。」
ゆと
ゆと
「それ以上はね、止めないと。」

ここから「もう一人の後輩」バイオエタノールに話は脱線するが、最後は原料そのものに着地する。


ポカリもコーラも、実は「さつまいも」からできていた──と言える?

23:35 からこの部分を聴く

甘いジュースの成分でよく見かけはする「果糖ブドウ糖液糖」。あの怪しい長くて科学的な名前の正体が、日本の畑にあったとは…

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TT
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「果糖ぶどう糖液糖、今何のデンプンを使ってるかというと、国産のさつまいもが使われてます。」
ゆと
ゆと
「ああ!さつまいも!」
TT
TT
「第二次世界大戦後、米ばっか作ってたら凶作の時にみんな飢饉になっちゃうから、リスク分散でさつまいも栽培を推進したんだって。でも米の栽培技術が上がって、だんだんさつまいもが余るようになった。」
ゆと
ゆと
「そんないらねーよと。」
TT
TT
「『じゃあさつまいもからぶどう糖液糖作るか』みたいな。だから、ポカリとかコーラとかは、さつまいもからできてると言っても過言ではないです。」
ゆと
ゆと
イメージ変わるな。あの長い名前の裏に、戦後の日本の畑があったんか。」

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