#52.キウイは緑と黄色だけじゃない!香川発の「さぬきキウイっこ」とは?/キウイの基・山田さん
#52

#52.キウイは緑と黄色だけじゃない!香川発の「さぬきキウイっこ」とは?/キウイの基・山田さん

2026年6月3日50分
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出演
TT
TT農学ガチ勢農学修士。その後サラリーマン研究員として農と食と戯れる。Podcastはほとんど聴いてこなかったが、農食ラジオを始めてからは沼にハマり中。
ゆと
ゆと農学ビギナー大学院まで物理を学んだ工学修士。新卒はベネッセで進研ゼミづくり。その後ITに軸足を移し、今は音声コンテンツに夢中。まなびガチ勢。
山田
山田香川のキウイ農家キウイ農家。ポッドキャスト番組「キウイの基」パーソナリティ。大阪から移住香川県で新規就農。キウイ専業になりたいが今現在キウイだけではキツい。稼ぐことから楽しむことに切り替えて農業してます。
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前回の受粉編に続いて、今回のテーマは「品種」。香川でキウイを育て、ポッドキャスト「キウイの基」も配信する山田さんをゲストに、「キウイって品種多いよね?」というお便りを掘り下げます。色の正体は遺伝子のコピー数、甘さの錯覚、サルナシと掛け合わせた手のひらサイズの新品種、そして世界では中国に完敗——1個のキウイの裏側に、こんなに品種のドラマが詰まっていました。

「キウイは品種が多い」と思ってた。でもTT説は真逆だった

1:29 からこの部分を聴く

お便りの「キウイって品種多いよね?」に、TTがいきなり逆張りしてきました。

TT
TT
「グリーン、ゴールド、レッドで少なくとも3〜4、Google AIは数十から数百と言ってます。でも、TT説ではむしろ少ないんじゃないかなと」
ゆと
ゆと
「他と比べてね」
TT
TT
「他だったら数千とか千を超えるものがあるはず。国内で農水省に登録されてるキウイの品種は全部で60なんです」
ゆと
ゆと
「みかんは?500とか
TT
TT
みかんは175。キウイの3倍。じゃあ、トマトは?」
ゆと
ゆと
「わかんないよ。トマトのほうが少なそう」
TT
TT
「正解は361です」
ゆと
ゆと
えっ、そんなにあるんだ

数の話から、そもそも「色」は品種なのか、という根っこの話に転がっていきます。


グリーン・ゴールド・レッドは「品種」ですらなかった

5:16 からこの部分を聴く

色の名前を品種だと思ってたんですが、もっと深いところが違うらしいんです。

TT
TT
「グリーン・ゴールド・レッドって、実は品種ではないんだよな。お米でいう『日本米』みたいな上位概念で」
ゆと
ゆと
「もう一個上なんだ」
TT
TT
「キウイは6倍体遺伝子のコピーが6セット。1個変えても残り5個がぐちゃぐちゃで、特徴を変えづらい。ゴールドは4倍体、レッドは2倍体で、合ってます?」
山田
山田
合ってます、合ってます
TT
TT
「だからもう、生物種としてちょっと違う。小麦と大麦くらいの距離感で」
山田
山田
「そうそう、もう別物なんですよ」
ゆと
ゆと
「色の名前で、そんなに変わるんだ」

この「コピーの数」の違いが、ある人気品種の悲劇に効いてきます。


めちゃくちゃ甘い赤いキウイに、県から「全伐採命令」が出た

14:54 からこの部分を聴く

いちばん驚いたのがここ。甘くて人気の赤いキウイが、まさかの運命をたどります。

TT
TT
「赤は作ってないんですか?」
山田
山田
「作ってたんですけど、全部抜きました。赤はめちゃくちゃ甘くて食べやすいんですけど、栽培上すごく弱い品種で。病気にかかって、県から全伐採命令が出たんです
ゆと
ゆと
「県レベルで!?」
TT
TT
「赤って2倍体だからだと思う。ウイルスは遺伝子のどこか1個でも耐性があればかからない。6倍体なら入る場所が6個あるけど、赤は二択。耐性がどこにもない確率が上がる」
山田
山田
「いやもう、ほんまにおっしゃる通りで」
TT
TT
2倍体は弱い説と、2倍体は小さい説もあるんだよね」
山田
山田
「そうなんです。2倍体は小ぶりで、4倍体・6倍体になると大玉になりやすい」

弱くて消えた赤がいる一方、香川にはもっと尖った品種がありました。


ゴールドが甘いは"刷り込み"? 実は緑のほうが糖度は高い

11:56 からこの部分を聴く

ゴールドキウイ=甘い、と信じてたんですが、山田さんの答えは逆でした。

ゆと
ゆと
「実家ではむしろゴールドばっかり食べてた。イオンでおかんが、ゼスプリのカゴをね」
TT
TT
「甘い、酸味が少ないってイメージがあって。でも、よく売れてる黄色を脳が『甘い』と思い込んでた可能性もあるなと」
山田
山田
いやー、鋭いですね。実は緑のほうが糖度は高いことが多くて。黄色は糖度が低いことが多いんです」
ゆと
ゆと
えっ、逆なんだ
山田
山田
「黄色は酸味が少なくてまろやかなので、甘さを感じやすいだけで」

甘さの先入観の話から、山田さんの畑の"その他"が気になってきます。


手で割れる"さぬきキウイっこ"。サルナシと掛け合わせ、山田さんは移住した

24:56 からこの部分を聴く

山田さんの畑、じつは4分の1が"その他"。これ、何の品種だと思いますか?

TT
TT
「その他の4分の1って、何を作ってるんですか?」
山田
山田
さぬきキウイっこっていう品種で。普通が100〜120gのところ、これは35〜40g。イチゴくらいで、皮を剥かずにパカッと割って吸って食べられるんです」
TT
TT
包丁もナイフもいらない
山田
山田
「毛も落ちないし病気にも強い。実はサルナシっていう日本の山に生える木の実と、キウイを掛け合わせた品種なんですよ」
ゆと
ゆと
「サイズでの差別化か」
TT
TT
お弁当に入れたいな

ここまで香川の強さを聞いてきましたが、世界に目を向けると景色が一変します。


生産量は11位なのに品種改良は国内トップ。でも世界では中国に完敗

35:32 からこの部分を聴く

国内では敵なしの香川。でも世界に出ると、話はがらっと変わります。

TT
TT
「香川って、キウイの国内生産量は1位じゃないですよね」
山田
山田
「全然です。こないだ調べたら11位でした」
TT
TT
「11位なのに品種改良は先進的っていうギャップが面白い」
山田
山田
「品種に関しては、国内ではもう群を抜いてると思います。……でも実は、中国がすごいことになってて
TT
TT
「戦う相手は世界ですもんね。ニュージーランドと中国」
山田
山田
「中国はもう、香川なんか全然及ばないくらい研究が進んでて、完全に負けてます
TT
TT
「キウイの原産は中国だからね。山に入れば新種が見つかる遺伝子の宝庫だし、科学への予算も人もすごい」

最後は雑談まじりに、山田さんが来年こっそり試す"ある実験"の話になりました。


「オスがいらないキウイ」は本当にあるのか

43:09 からこの部分を聴く

前回さんざん受粉の苦労を聞いたあとだけに、この噂はちょっとした事件でした。

山田
山田
「キウイの基のリスナーさんから、オスがいらないキウイがあるってお便りが来て。オスの木がなくても実がなる品種が、ホームセンターで売ってると」
ゆと
ゆと
「えっ、家庭菜園にいいじゃないですか」
山田
山田
「調べたら香川の鉱緑の派生であるらしくて。香川県の試験場に聞いたら、『大学と試験場でも作ろうと研究中。今は無いので、本当になるなら教えてほしい』と」
TT
TT
山田さんが農業の発展に貢献しようとしてる
山田
山田
「来年、買って植えてみようと思ってて。ただ試験場からは、過去にも噂はあったけど、結局は虫や風で他の花粉が飛んできてただけ、と」
TT
TT
「それはありそう」
山田
山田
花に袋をかけて、絶対に他の花粉が来ないようにして実験してみて、と言われました」
ゆと
ゆと
成功してもしなくても、それは面白い

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