
#51.キウイの♂と♀、恋のキューピッドは誰だ?/キウイの基 山田さん
2026年5月27日40分
出演

ゆと農学ビギナー大学院まで物理を学んだ工学修士。新卒はベネッセで進研ゼミづくり。その後ITに軸足を移し、今は音声コンテンツに夢中。まなびガチ勢。
山田香川のキウイ農家キウイ農家。ポッドキャスト番組「キウイの基」パーソナリティ。大阪から移住香川県で新規就農。キウイ専業になりたいが今現在キウイだけではキツい。稼ぐことから楽しむことに切り替えて農業してます。

TT農学ガチ勢農学修士。その後サラリーマン研究員として農と食と戯れる。Podcastはほとんど聴いてこなかったが、農食ラジオを始めてからは沼にハマり中。
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キウイのオスとメスの話を前 2 回の予習で固めてきて、ついに今回はプロをお呼びしました ── 香川県のキウイ生産者で「キウイの木」というポッドキャストもやってる、山田さん。ニュージーランドと日本の受粉スタイルのズレ、寒天と砂糖と赤色を混ぜた花粉スプレー、輸入花粉が 5 倍に値上がりした話、収穫時期は葉っぱで見極める職人技。1 個の果物の裏側に、こんなにドラマがあるなんて。
99.9% がメス。残りのオスは"隅っこ"でひっそり
8:00 からこの部分を聴く
ニュージーランドのキウイ畑、改めて聞いてみると景色が全然違うんですよね。

「日本の継ぎ木って、向こうではあんまりやらないんですか?」
「ニュージーランドはあんまりそういうの見ないって言ってましたね。あっちは虫媒、つまり虫を使った受粉がメインで、メスの列があってオスの列があって、またメスオスメスオスっていうのがオーソドックスな形だそうです」

「効率化の極みみたいな」
「日本で多いのは普通のキウイの園地の隅っこの方にオスの木を植えてあるみたいな。本当に邪魔にならないところに、隅の方に追いやられてオスが植わってるっていう」

「中央に 1 個とかじゃないんですね」
「橋の方です。割合で言ったら99.9% くらいメスだと思います」

「ほぼメスやん」
寒天と砂糖からできた赤色の液体花粉をスプレー噴射。日本のキウイ受粉は、見た目はカクテルかもしれない
13:30 からこの部分を聴く
「花粉を白い花に目掛けてスプレーして受粉させる」だけだと思ってたら、レシピがちょっとした化学実験でした。
「去年採取しておいた花粉を乾燥させて、冷凍庫で保存して、来年の春出してきて、液体に溶くんですよ」

「液体に?」
「寒天と砂糖を溶いた水に花粉を入れて、ガシャガシャ混ぜて、それに赤い色をつけて、赤色の液にしちゃうんです」

「砂糖を入れるのは、ベタベタさせて付着しやすく & エネルギーにもなる ためですかね?」
「そうですね。寒天も流れ落ちにくくさせる効果があるみたいで」

「赤いのは、毎日新しい花が咲くなかで、昨日かけましたよっていうマークなんですね」

「子供好きそう。バキュンバキュンみたいな」
気温が高すぎて、1 週間かけて咲くはずのキウイが一気に咲いた。ゆとも 6 時間受粉に駆り出された
16:30 からこの部分を聴く
このエピソードで一番ぐっとくるのは、ここの場面かも?ゆとがちゃっかりキウイガチ勢に・・・!?

「実は先週、近所で受粉作業してきたんですけど、全く一緒でした。ファブリーズみたいなやつでシュッシュッシュッして、ピンクになったかをチェックして」
「え、え、どういう流れで受粉作業することになったんですか?」

「コワーキングの農家さんから、急遽めっちゃ受粉作業を急いでやらねばだから、一人でも多く欲しいって。理由もわからずとりあえず行って、半日6 時間ぐらいひたすら」
「実は全く同じことが香川でも起こってまして。気温が高すぎて、本当は 1 週間くらいかけてパッパッパッパ咲いていくところを、一気に全部ブワーッと咲いたんですよ」

「同じことが起きてた笑」
「1 日で吹いた量は過去最高でしたね、今年は」

「スーパーのキウイの向こう側にある、知られざる作業ですね」
受粉のあれこれを聞いている途中で、ふと「でも収穫時期ってどう見分けるんですか?」という話に流れた。
キウイの収穫時期、見ても色が変わらない。職人は"葉っぱの葉脈"で見極める
23:30 からこの部分を聴く
キウイって、追熟させるし収穫時の色じゃわからない・・・じゃあ何で?と思ってたら、プロは葉っぱで判断してるそうです。

「キウイって、色の変化のイメージが全くなくて。ずっとあの色なんじゃないかと思っちゃってるんですけど、どうやって見極めるんですかね?」
「見て全然わからないんですよ。僕の師匠は葉っぱを見て判断してるって言ってて」

「葉っぱ!?」
「葉っぱの色や葉脈の具合を見て、そろそろ収穫時期だなって判断してる。もう職人の技みたいな」

「葉っぱが筋張ってくるって、もともと血管みたいに広がってる部分が痩せて、葉脈が目立ってくるってことか」
「ただ職人技なので、基本的には花の開花時期から積算温度を計算して、3600〜4000℃に達したら収穫目安っていう基準があります」

「桜の開花予想と一緒だ。あれも積算温度ですよね」
ニュージーランドから輸入してた花粉が 5 倍に値上がり。みんなオスを育てだした
28:00 からこの部分を聴く
農業をビジネスとして見ると、けっこうリアルな話が出てきました。

「花粉は 100% 自前なんですかね?それとも花粉屋さんとかいるんですか?」
「いい質問です。5 年前ぐらいまではほとんどの人が花粉を購入してましたね。ニュージーランドから輸入してたんです。オスとメスの花が咲くのが同じ時期なんで、オスの花を取ってる間がないので」

「でも今は自前が多いと」
「めちゃくちゃ値段が上がってですね。僕が始めた頃 1 万円ぐらいだったんですけど、今 5 万 5 千円ぐらいしてるんですよ」

「5 倍以上だ」
「これは到底買えないぞってなって、みんなオスを育てだしたって感じですね。設備ももう使わんと思って倉庫にしまってたやつが出されてきて、住人の方が教えてくれて」
「うちの地域は割と 5、6 件ぐらいみんな集まってオス木の畑を作ってあるんですよ。早朝に花取って花粉生成して、終わったらメスに付けに行く」
ここまでは生産者目線の大規模な話。最後に家で 1 本だけ植えたい人向けの話にも触れてもらった。
庭でキウイを育てたい人へ:早咲きオス品種"孫悟空"を植えて、花は冷凍庫へ
37:30 からこの部分を聴く
家でキウイを育てたい時、どうすればいいか知ってますか?

「キウイを庭先で植えたいと思ったら、花粉はどうすればいいですか?」
「まずメスを植えて、近くにオスも植えて虫に交配してもらう。ただ同じタイミングに咲くオスを選ばないといけないので結構難しい。なので一番早く咲くオスの品種を植えといて、花ごとちぎって冷凍庫に入れとくっていうのが、おすすめです」

「メスが咲いたら冷凍庫から出して、オスの花を直接付けてやると」

「早いオスの品種の名前って、あるんですか?」
「多分、孫悟空」

「孫悟空。オスだからマジでわからん、聞いたことない」
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